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【完全ガイド】高級魚マトウダイとは?生態・釣り方・美味しい食べ方

マトウダイ 魚の生態

「マトウダイ」という魚をご存知でしょうか?体の中央にある黒い的(マト)のような模様と、馬のようにスッと伸びた顔立ちが特徴的な、非常にユニークな姿をした海水魚です。

日本のスーパーでは日常的に見かける機会は少ないかもしれませんが、実はフランス料理では「サン・ピエール」と呼ばれ、高級レストランで扱われるほどの超高級魚として知られています。その奇抜な見た目からは想像もつかないほど、上品で旨味の詰まった白身と、濃厚な「肝(キモ)」を持っています。

釣り人の間でも、独特な引きの強さと食卓での絶品の味わいから、非常に人気の高いターゲットです。

この記事では、そんな魅力あふれる「マトウダイ」について、基本となる生態から、効果的な釣り方、そして家庭でできる最高に美味しい食べ方(レシピ)まで、完全ガイドとして徹底解説します。

1. マトウダイ(的鯛)とは?基本情報とユニークな生態

マトウダイ(的鯛、馬頭鯛)は、マトウダイ目マトウダイ科に属する海水魚です。まずは、その不思議な生態や特徴的な見た目の秘密について解説します。

名前の由来は「的(マト)」と「馬(ウマ)」

マトウダイの名前の由来には、大きく分けて2つの説が広く知られています。

  • 「的鯛(マトウダイ)」説:体側の真ん中に、黒くて丸い斑点模様があります。これが弓矢の「的(まと)」に見えることから名付けられたという説です。
  • 「馬頭鯛(バトウダイ)」説:頭が長く、顔の形が「馬の頭」に似ていることから名付けられたという説です。地方によっては現在も「バトウ」と呼ばれています。

獲物を丸呑み!「伸びる口」の秘密

マトウダイの捕食シーンは非常に特徴的です。普段は閉じている口ですが、小魚などの獲物を捕らえる瞬間、筒状の口が前方にビヨーンと長く飛び出します。

マトウダイは遊泳力がそれほど高くないため、獲物にゆっくりと忍び寄り、射程距離に入った瞬間にストローのように口を伸ばし、周囲の水ごとスポッと獲物を吸い込みます。この独特の捕食方法は、釣りをする際の「アタリの出方」にも大きく関係してきます。

生息域と美味しい「旬」の時期

北海道以南の日本各地の沿岸から、東シナ海、太平洋、インド洋、地中海など、世界中の温暖な海に広く分布しています。水深数十メートルから数百メートルの、砂泥底や岩礁帯の周辺を好みます。

マトウダイの旬は「秋から春(10月〜5月頃)」にかけてです。特に冬から春先の産卵期前は、身に脂がたっぷりと乗り、肝も大きく肥大化するため、一年で最も美味しくなります。

2. フレンチでも大人気!マトウダイが高級魚と呼ばれる理由

日本では地域によって大衆魚として扱われることもありますが、世界的に見るとマトウダイは間違いなく「高級魚」の部類に入ります。その理由を紐解いてみましょう。

ヨーロッパでは神聖な魚「サン・ピエール」

フランス料理において、マトウダイは「Saint-Pierre(サン・ピエール)」と呼ばれ、ヒラメやスズキと並ぶ最高級の白身魚として珍重されています。

「サン・ピエール」とは、キリスト教の十二使徒の一人である聖ペテロのことです。ペテロが魚を釣り上げた際、その魚の口から銀貨が出てきたという伝説があり、ペテロが魚を掴んだ指の跡が体の「黒い的」として残ったと言われています。ヨーロッパでは非常に神聖で縁起の良い魚とされています。

日本での流通事情と市場価格

身の繊維がしっかりしており、加熱してもパサつかずふっくらと仕上がるため、フレンチの技法と非常に相性が良いのが特徴です。日本国内でも、活け締めされた大型で鮮度の高いものは、高級魚としてフレンチレストランや料亭に直行するため、一般のスーパーにはなかなか出回りません。

1kgあたり2,000円〜4,000円、特大サイズになるとそれ以上の値段で取引されることも珍しくありません。魚屋で見かけたら「買い」と言えるほど、価値の高い魚です。

3. マトウダイを狙う!効果的な釣り方と仕掛け

マトウダイは専門に狙う遊漁船は少なく、ヒラメ釣りや青物釣りの「嬉しいゲスト」として釣れることが多い魚です。しかし、習性を理解すれば狙って釣ることも十分に可能です。

釣り場の選び方:アジやイワシの群れを狙え

マトウダイは肉食性で、小魚(アジ、イワシ、小ダイなど)が集まる場所を好みます。船釣りでは水深30m〜100m前後の砂泥底や岩礁帯がポイントになります。陸っぱり(堤防)からも、潮通しの良い防波堤でサビキ釣りにアジが群がっているような状況下では、足元まで寄ってきていることがあります。

泳がせ釣り(のませ釣り)の仕掛けとコツ

マトウダイを釣る上で最も実績が高いのが、生きた小魚をエサにする「泳がせ釣り(のませ釣り)」です。

  • エサ:活きたアジやイワシを使用します。
  • 仕掛け:ヒラメ用の胴突き仕掛けや、エレベーター仕掛けが有効です。
  • 釣るコツ(早合わせ厳禁):マトウダイは口を伸ばしてエサを吸い込むため、最初のアタリから完全に針掛かりするまで時間がかかります。竿先が引き込まれてもすぐに合わせず、じっくりと食い込ませてからアワセを入れる「遅合わせ」が鉄則です。

ルアーフィッシング(ジギング)での狙い方

オフショア(船)からのスロージギングや、タイラバの外道としてもよく釣れます。遊泳力が高くないため、激しいアクションよりも、ボトム(底)付近をフワフワとゆっくり漂わせるようなフォールアクションに好反応を示します。シルバー系やゴールド系のメタルジグがおすすめです。

4. 釣りたてを味わう!マトウダイの美味しい食べ方・レシピ

マトウダイを手に入れたら、その極上の味わいを余すことなく堪能しましょう。下処理の注意点と、おすすめのレシピをご紹介します。

さばき方の注意点:鋭いトゲに気をつけよう

マトウダイをさばく際、最も注意すべきは背びれや腹びれにある非常に鋭く硬いトゲです。刺さると痛みを伴うため、調理前にキッチンバサミでトゲをすべて切り落としておくと安全です。ウロコはほとんどなく、表面のヌメリを包丁でこそぎ落とすだけで下処理が可能です。

絶品!マトウダイのお刺身と「肝醤油」

鮮度の良いマトウダイは、まずは絶対にお刺身で味わってください。ほんのりと甘みのある上品な白身は、ヒラメにも劣らない美味しさです。

そして最大の特徴が「肝」です。新鮮な肝をサッと酒で湯通しし、裏ごしして醤油と合わせた「肝醤油」を作りましょう。淡白な白身に濃厚な肝醤油をたっぷり絡めて食べれば、まさに悶絶級の美味しさです。

フレンチの定番!マトウダイのムニエル(ポワレ)

熱を通しても身が硬くならない特性を活かすなら、バターを使ったムニエルやポワレが最適です。

  • 切り身に塩こしょうで下味をつけ、軽く小麦粉を振ります。
  • フライパンに多めのバターとオリーブオイルを熱し、皮目から香ばしく焼き上げます。
  • 外はカリッと、中はフワフワの食感に仕上がり、白ワインとの相性は抜群です。

旨味が溶け出す!アラ汁・鍋物

マトウダイは非常に良い出汁が出る魚でもあります。三枚におろした後に残った頭や中骨(アラ)は捨てずに、アラ汁や鍋物のベースにしましょう。上品で深みのある出汁が出て、最後の一滴まで楽しむことができます。

5. まとめ:釣って楽しい、食べて美味しいマトウダイを満喫しよう

マトウダイは、そのユニークな見た目とは裏腹に、世界中の美食家を唸らせる極上の味わいを秘めた高級魚です。

釣りのターゲットとしても、独特のアタリや強い引きで楽しませてくれますし、何より釣り上げた後の食卓がこれほど楽しみな魚も珍しいでしょう。

もし釣り場で出会えたり、鮮魚店で見かけたりした際には、ぜひ本記事を参考に、その深い魅力を余すことなく味わい尽くしてください!